子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えていた日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

学習4ヶ月目から

がっこうでトイレにいけるかな? うんこのえほん

『がっこうでトイレにいけるかな? うんこのえほん』 村上八千世 文/せべまさゆき 絵(ほるぷ出版) 2007 小学校のトイレは、家のトイレとは違いますよね。ぴかぴかの一年生は、困ってしまいます。ずらっと個室が並んでいて怖いし、多くは和式だし…。どうや…

わるわるイッサイ

『わるわるイッサイ』 佐々木マキ (フレーベル館) 2016 悪いサイのお話です。悪いサイのイッサイは、ウサギと子ブタのお弁当を食べちゃったり、ワニの尻尾を踏んづけたり、みんなにひどいことばかり。 動物たちから相談された女の子、きのこちゃんはイッサ…

どうぶつ

『どうぶつ』 ジャスティン・スミス 絵/フィオナ・ランド 絵 (主婦の友社) 2010 リンク 「がたがた」「ぷくぷく」「ふかふか」などの、触感を表す日本語を外国人の子に説明するのって面倒ですよね。 「先生、『ふかふか』ってなに?」と聞かれて、手近に…

なにができるかな?

『なにができるかな?』 駒井京子 作/ワタナベマキ 料理/植田まほ子 演出 (主婦と生活社) 2024 リンク 酒、塩、米、梅干し、海苔。 さて、この材料でできる料理はなんだろう? 「なにができるかな?」と子供に尋ねると、間髪入れず「おにぎり!」と答え…

あなたがうまれたとき

『あなたがうまれたとき』 くさかみなこ 作/横須賀香 絵 (小学館) 2022 リンク 「あなたが うまれたとき わたしは おかあさんに なりました。」 娘が生まれて、日々成長する過程を母親が思い起こしながら、自身の気持ちを語り掛けるスタイルです。娘への…

わらべうたえほん おべんとうばこのうた

『わらべうたえほん おべんとうばこのうた』 さいとうしのぶ 構成・絵 (ひさかたチャイルド) 2013 「これくらいの おべんとうばこに おにぎり おにぎり ちょいとつめて…」という、あの有名な歌の絵本です。 絵があるので、外国人児童にも分かりやすいです。…

バスでおでかけ

『バスでおでかけ』 間瀬なおかた 作・絵 (ひさかたチャイルド) お父さんとお母さんと女の子と男の子。家族四人で、バスに乗っておでかけです。お父さんが、「すてきな ところ」へ連れてってくれるんだって。さて、どんな所だろう? まずは、自宅近くのバ…

しんせつなともだち

『しんせつなともだち』 方軼羣 作・村山知義 絵/君島久子 訳(福音館書店)1987 冬のある日、うさぎさんがカブを拾いました。うさぎさんはお友だちのろばさんに、カブをもっていってあげようと考えます。そこから始まる心優しい動物たちの、心温まる物語で…

いいもの みーつけた

『いいもの みーつけた』 レオニード・ゴア 文・絵/藤原宏之 訳 (新日本出版社) 2012 リンク 森に落ちている本を動物たちが次々に見付け、これはなんだろう?と頭をひねり、頓珍漢な使い方をするお話です。おうちにしたり、帽子にしたり…。 「えー」 「ち…

モーっていったの だあれ?

『モーっていったの だあれ?』 ハリエット・ツィーフェルト 文/シムズ・ターバック 絵/はるみこうへい 訳 (童話館出版) 1998 以前、『うしはどこでも「モ~!」』という本を紹介しましたが、こちらも動物の鳴き声が題材なので、ちょっと似ているかもし…

チューリップ

『チューリップ』 荒井真紀 作 (小学館) 2017 リンク チューリップの球根が、地上に芽を出し、美しい花を咲かせ、やがて枯れ、新しい球根ができるまでが優しいタッチで描かれています。 球根の中身がどんなふうに変化していくのか、断面図でよく分かり、そ…

ともだちが きました

『ともだちが きました』 五味太郎 作 (文化出版局) 1984 一本の木があります。 そこへ、小鳥や蝶や風船がやって来ます。何しに来たのかな? 「〇〇が△△にきました」という表現が繰り返されるので、「見に行きます」「食べに来ます」など、「(目的)にい…

あっ、ひっかかった

『あっ、ひっかかった』 オリヴァー・ジェファーズ 作・絵/青山南 訳(徳間書店) 2014 木の枝に、凧が引っ掛かった男の子のお話です。さて、男の子はどうするでしょう……? 「ひっかかる」という動詞は、日本語学習を始めて4か月ほどの初級レベルではちょっ…

ぶた いろいろなきもち

『ぶた いろいろなきもち』 ユリア・ヴォリ 作・絵/迫村裕子 訳 (文溪堂) 2006 リンク 『絵本で教えるにほんご』の中で、同シリーズの別の本も紹介されていますが、こちらもお勧めです。 「たのしい」「かなしい」「こわい」などの感情にまつわる語彙や、…

ぷかぷか

『ぷかぷか』 石井聖岳 作 (ゴブリン書房) 2005 天気の良い日、のんびり海を漂うタコさんが、空を飛ぶ空想に耽るお話です。「やってみよう」「とんでみたい」「いってみたい」などの表現が出てきます。平易な言葉ばかりなので理解が容易です。意向形や、「…

しりとりのだいすきなおうさま

『しりとりのだいすきなおうさま』 中村翔子 作/はたこうしろう 絵 (鈴木出版) 2001 日本語の授業の時間が半端に余ったときなど、ゲームをすることがあります。しりとりもその一つです。たかがしりとりですが、外国人の子供は大喜びして盛り上がります。 …

あきらがあけてあげるから

『あきらがあけてあげるから』 ヨシタケシンスケ 作・絵 (PHP研究所) 2021 リンク まだ小さいあきら君は、お菓子の袋を開けられません。だから、お母さんに開けてもらいます。 はやく大きくなって、いろんな物を自分で開けたいなあ……。あきら君の妄想は膨…

光の旅 かげの旅

『光の旅 かげの旅』 アン・ジョナリス 作・絵/内海まお 訳 (評論社) 1984 ご覧のように、表紙をそのまま見ると明るい空をバックに並ぶ家々。ひっくり返してみると、夜空の下に同じく並ぶ家々です。 明け方の我が家を出発するところから、物語は始まりま…

言葉図鑑 9 しっぽのことば

『言葉図鑑 9 しっぽのことば』五味太郎 (偕成社)1988 リンク 先日、言葉図鑑シリーズから7巻をこのブログで取り上げましたが、9巻も便利なのでご紹介。 サーカスの団員や動物、観客の様子が可愛らしく、ユーモラスに描かれている本です。絵を楽しみなが…

ぐう ぐう ぐう

『ぐう ぐう ぐう』 五味太郎 作・絵 (文化出版局) 1982 リンク ずっと寝ているクジラのお話です。 夜が明けても、ぐうぐうぐう。 友達が来ても、ぐうぐうぐう。 恐いの(サメ)が来ても、ぐうぐうぐう。 「~ても ぐうぐうぐう」のフレーズがずっと続くの…

はなすもんかー!

『はなすもんかー!』 宮西達也 作・絵 (鈴木出版) 1997 森に、長いひものような物が落ちています。 アマガエルくんと、ツチガエルくんがそれに出くわして、「僕が先に見つけた」「いや、僕が先だ」と飛びついて、引っ張り合います。すると、大きなアカガ…

へび のみこんだ なに のみこんだ?

『へび のみこんだ なに のみこんだ?』 tupera tupera 作・絵 (えほんの社) 2011 リンク 「へび、のみこんだ。なに、のみこんだ?」 とこちらが問うと、蛇のふくらんだ体を見て、子供は一生懸命考えてくれます。次のページで答えが分かります。謎提示→解…

おやゆびさん

『おやゆびさん』 風木一人 作/ひろかわさえこ 絵 (鈴木出版) 2012 親指さんは、他の指たちと離れていて、いつもちょっと寂しそうです。人差し指さんと中指さんは仲良しです。人差し指さんと薬指さんが仲良くするのはちょっと大変。でも薬指さんは、小指…

ぐる ぐる ぐる

『ぐる ぐる ぐる』 内田麟太郎 作/長野ヒデ子 絵 (金の星社) 2016 のんちゃんの指は魔法のようです。のんちゃんがぐるぐると指を回すと、トンボもイノシシも、お化けだって、ぐるぐると目を回し、ふらふらになってしまいます。のんちゃんは更に大きな物…

きょうりゅうのたまご

「きょうりゅうのたまご」 なかがわちひろ 作・絵 (徳間書店) 2000 リンク 先日、「~の匂いがします」「~の音がします」「~の味がします」という表現を教えた際に、授業の最後に読みました。 主人公の男の子が恐竜とともに、恐竜の卵を探すお話です。 …

ぶんぶくちゃがま

『ぶんぶくちゃがま』 あかぎかんこ 文/なかがわだいすけ 絵 (埼玉福祉会) 2017 日本語が苦手な方や、知的障害のある方、認知症の方などのために作られたそうで、LLブックというシリーズ本の一つです。 分かりやすい易しい日本語が使われており、絵文字ま…

のでのでので

『のでのでので』 五味太郎 作 (絵本館) 2004 先日、予定していた学習が終わって、10分ほど時間が余ったときに、この本を読み聞かせました。 「雨です。だから、うんどうかいはありません。」 「雨です。だから、かさをさします。」 と、数日前に学習し…

いろいろかえる

『いろいろかえる』 きくちちき 作 (偕成社) 2021 動詞の辞書形を教える際の導入に使えます。 「緑色のカエル。食べます。食べるのが好き。食べることが好きです」 「青色のカエル。泳ぎます。泳ぐのが好き。泳ぐことが好きです」 など、子供の理解度や様…

さんぽのしるし

『さんぽのしるし』 五味太郎 (福音館書店) 1986 うさぎが行く先々で、いろんな標識に出くわします。 次のページをめくると答えが分かる、謎かけ→解明パターンが続く本なので、低学年や中学年の子には興味を持たせやすいです。 「これは何のマーク?」 と…

みずたまり

『みずたまり』 殿内真帆 作 (フレーベル館) 2016 家の前にできた水たまりに、男の子が毎日話しかけます。「なにが みえるの?」と男の子が聞くと、水たまりが、虹が見えたと答えます。また別の日、「きょうは なにが みえた?」と男の子が尋ねると、飛行…