子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えていた日本語教師です。読み聞かせにお勧めの絵本を紹介していきます。

おとしちゃったぞう

『おとしちゃったぞう』 ひろたあきら 絵/みきちゃん(ぽるぽるふぁみりー) 文 (303BOOKS) 2025

 

 

鼻を落としたゾウさんや、たてがみを落としたライオンさんや、耳を落としたウサギさんが登場します。

落としちゃった姿がとっても間抜け…もとい、可愛く、子供達に大ウケです。

未習の語彙も多少ありますが、ストーリーは単純なので子供も気にしません。初級の最後辺りに良さそうです。特に、「V‐ちゃった」「~くれる(くれない)」のフレーズが繰り返されるので、それらの文型を繰り返し聞かせたいときに良いです。

 

★主に出てくる文型・ことば

‐命令形

‐V‐ちゃった

‐~てくれる

‐~と…(条件)

‐においがします(する)

‐動詞+ても

‐~すぎる

‐きこえる(きこえない)

‐動詞+たら

‐~そう(容態)

‐~けど…

‐~だっけ?

たかい たかーい

『たかい たかーい』 オームラトモコ 作・絵 (フレーベル館) 2017

 

 

読みたい本が積みあがって、

「たかい たかーい」

おやつのケーキが積みあがって、

「たかい たかーい」

赤ちゃんの積み木が、

「たかい たかーい」

 

こんな調子で、「高い」のフレーズが繰り返される本です。

「高い」という形容詞を学んだ際にお勧め。「読みたい」とか「おやつ」とか、未習の単語も出てきますが、予習になりますし、本の内容理解には支障ありません。

少し学習が進んだ子と一緒に読み聞かせるのも、手ですね。

ねこは まいにち いそがしい

『ねこは まいにち いそがしい』 ジョー・ウィリアムソン 作・絵/いちだいづみ 訳 (徳間書店) 2018

 

 

猫の「ぼく」は、毎日とても忙しいのです。なぜなら、住んでいるお家の人間たちに、いろんなことをしてあげないといけないから…。

朝、起こしてあげて、ご飯を食べるか見ていてあげて、お風呂に入るときは傍にいてあげて…。

手伝ってあげているつもりの「ぼく」が、大変キュートです。

「~てあげる」以外にも、「~てもらう」「~てくれる」の文型も登場します。授受表現の学習に良いですが、ちょっと語彙が難しいので初めて学ぶ子向けではないかもしれません。1年近く日本語を学んでいるものの、授受表現がしっかり身についていない、というような子にお勧めです。

 

★主に出てくる文型・ことば

‐~てあげる

‐~てくれる

‐名詞化の「の」

‐~んだ(説明)

‐~たら

‐~なくちゃ

‐~ても

‐~てもらう

‐~と…(条件)

だれのじてんしゃ

『だれのじてんしゃ』 高畠 純 作・絵 (フレーベル館) 1982

 

 

自称の「私」、所有の助詞「の」、そして疑問詞「誰」を学習した子供になら、読み聞かせ可能な絵本です。

やたら長かったり、丈夫そうだったり、特徴的な形状の自転車が登場し、

「だれの じてんしゃ?」

と読者に尋ねてきます。

次のページをめくると、持ち主が判明。ワニだったり、ゾウだったり。

何の動物の自転車か子供が当てるのはちょっと難しいですが、内容理解はたやすいです。「誰の?」という表現の復習としてだけではなく、他の未習の表現にも慣れ親しませて、予習にすることができます。

ついでに、学習レベル前後の初期の語彙を子供が覚えてくれるよう、

「長い自転車!」

「ワニ!」

「ゾウ!」

「小さい自転車!」

など、指導者の方で補ってやると良いですね。

 

★主に出てくる文型・ことば

‐ぼく・わたし

‐所有の助詞「の」

‐疑問詞「だれ」

‐指示語「あれ」

‐~だろう

‐ちいさな

‐辞書形

‐並列助詞「と」

‐て形

 

 

よるです

『よるです』 ザ・キャビンカンパニー  作・絵 (偕成社) 2014

 

よるです

 

夜です。でも、時計の音がやけに響いて、すうちゃんは眠れません。しかもトイレに行きたくなっちゃった。どうしよう…。

すると、とつぜん毛布がバクに変わりました。

「こわがらないで。ぼくが いっしょに トイレに ついていってあげる」

と、バク。

冒頭から、夜の雰囲気ばっちりです。

読み聞かせると、子供達も、夜を怖がるすうちゃんに共感する様子で、固唾を呑んでストーリーの展開を見守ってくれます。

 

★主に出てくる文型・ことば

-可能形

-V‐ちゃった

-なりました

-てくれる(くれない)

-てあげる

-V‐ことにします(しました)

-~と(条件)

-V‐ちゃいます(ました)

-~くなる(状態変化)

-~てくる

-複合動詞

-~たみたい(推量)

-~たら

 

うさぎちゃん

『うさぎちゃん』 せな けいこ 作・絵 (金の星社) 1980

 

うさぎちゃん

 

うさぎを飼う女の子のお話です。大事に大事にお世話をしながら、うさぎが大きくなったら…と夢想します。

ちぎり絵で描かれたうさぎの柔らかい風合いが、物語全体の雰囲気を温かく優しいものにしています。

文型「~くなる」「~てあげる」「~たら」「~ちゃった」あたりを学習済みの子に最適です。

 

★主に出てくる文型・ことば

‐もらいます(もらった)

‐~てもいいです(~てもいい)(許可)

‐~から(理由)

‐意向形

‐~くなる

‐命令形

‐あげる

‐~てあげる

‐~たら(~ちゃ)

‐~ては駄目(~ちゃだめ)(禁止)

‐~たら

‐~ちゃった(ちゃう)

‐~だろう

 

かさ さしてあげるね

『かさ さしてあげるね』 はせがわせつこ 文/にしまきかやこ 絵 (福音館書店) 1995

 

 

いろんな動物の背中に雨が降り、優しい男の子が動物たちに傘をさしてやるお話です。

「かさ さして あげる」

という台詞が繰り返されます。

「~てあげる」という表現は、自身が他者へ親切にしてやるときに使う、ということが外国人児童にも伝わりやすく、導入に良いです。

 

★主に使う文型・ことば

‐オノマトペ

‐~てあげる

‐~てもらう

‐~ちゃう(ちゃった)(完了)