『どっちがピンチ?』 いわいとしお 著 (紀伊國屋書店) 2006
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”ピンチ”という言葉がまずあまり初期で習わない単語なので、本書を読み聞かせる前に絵カード等で「危ないことの意である」と伝えた方が良さそうです。私は、『大ピンチずかん』(小学館)がちょうどそのとき手元にあったので、絵カードのかわりにそちらをペラペラめくって見せて、「こういうのが”ピンチ”だよ」と事前に伝えました。
上の表紙の画像にあるように、『どっちがピンチ?』は、似ているけれども少しだけ違いのある二つのシチュエーションが描かれていて、読み聞かせる側が子供へ見せて、「どっちがピンチ?」と尋ねる形の絵本です。
どっちか子供に答えてもらったら、「どうして?」と聞くと、子供が頭を巡らせて、既習単語や文型を使ってなんとか理由を説明しようと頑張ってくれます。「水が落ちる」など、ちょっと誤った表現をしたときは、「そうだね。水がこぼれるから、ね」と、さりげなく修正して、子供により良い表現を伝えられます。口数の少ない子にも、自然に楽しくフリートークを促せる本です。
ただ、小さい本なので、同時に読み聞かせるには子供三人ぐらいが限界かもれません。
同著者の、『どっちがへん?』も同様の切り口で、おすすめです。
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