子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えていた日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

2024-01-01から1年間の記事一覧

しんせつなともだち

『しんせつなともだち』 方軼羣 作・村山知義 絵/君島久子 訳(福音館書店)1987 冬のある日、うさぎさんがカブを拾いました。うさぎさんはお友だちのろばさんに、カブをもっていってあげようと考えます。そこから始まる心優しい動物たちの、心温まる物語で…

ぼく なにを たべてたかわかる

『ぼく なにを たべてたかわかる?』 みやにしたつや 作・絵 (鈴木出版) ゴリラくんが何かを食べています。食べる音のオノマトペと食べ残しの絵がヒントです。 「疑問詞+普通形+か~」という文型を習う前でも、この絵本を見せて尋ねれば、何を問われている…

かえましてん

『かえましてん』 べかたろう 著 (KADOKAWA) 2023 リンク 表紙の果物はなんでしょう? もものようにも、りんごのようにもみえます。どっちでしょう? また、ケーキやウインナーも登場します。上から見ると、どう見えるでしょう? 切ってくっつけると、どう…

たべたいな

『たべたいな』 みやまつともみ 作 (福音館書店) 子供が好みそうなおやつが沢山登場します。とても美味しそうで、子供の興味を惹きつけます。 「とろーり」とか「ふわふわ」「真っ赤」等、初級には聞きなれない単語も多く出てきますが、概要の理解に支障は…

だれのあしあと

『だれのあしあと』 accototo ふくだとしお+あきこ 作・絵 (大日本図書)2008 雪原を歩いているねずみさんが、足跡を見付けます。さて、誰の足跡でしょう? 次のページで答えが分かります。 いろんな動物の足跡が登場するので、「誰の?」と尋ねると、その…

おどってる こまってる

『おどってる こまってる』 高畠那生 作・絵 (フレーベル館) 2023 踊っている人と困っている人が交互に出てくる愉快な絵本です。文体もリズミカルで、読んでいると、つい踊りたくなってしまう楽しさです。 現在進行形の「~ている」の用法が何度も出てきま…

らくだ

『らくだ』 にごまりこ 作 (福音館書店) 2013 表紙のドアップから察することができると思いますが、リアルな画風でありながらラクダのコミカルな姿や言動を、愛情たっぷりに描いた絵本です。 一般的に、あまり人気のないラクダですが、本書を読めばきっと…

りんごがころん

『りんごがころん』 中川ひろたか・文/奥田高文・写真 リンク タイトルのとおり、りんごがころんと転がったり、 かさがぱっと開いたりするだけのシンプルな絵本です。 ただ、オノマトペの楽しさが子供にはよく伝わるようで、きゃっきゃと喜んでくれます。 …

すきになったら

『すきになったら』 ヒグチユウコ 作 (ブロンズ新社) 2016 ワニを好きになった女の子の気持ちが、詩的にしっとり語られます。 「好きになったら、知りたくなる」「温かくなる」といった調子で、「~になる」「~くなる」の表現が繰り返されるので、授業で…

あかちゃん

『あかちゃん』 五味太郎 (絵本館) 1980 昔を懐かしむ表現、「~したものだ」が繰り返されます。 あまり子供が日常で使う表現ではありませんが、中級の文法テキストなどには登場しますし、日本で生活していくためには当然理解しておく必要がある中級レベル…

たびにでよう

『たびにでよう』 降矢なな 作 (童心社) 1992 男の子が不思議な旅をするお話です。 文章は、冒頭と最後のみで、「たびにでよう」「いこう」「のもう」など、意向形が学べます。 作者は中欧のスロヴァキア共和国に在住されているようで、この本もそのテイス…

ほんとかな ほんとかな

『ほんとかな ほんとかな』 多田ヒロシ 作 (1979) こぐま社 子豚のぶうちゃんと、子ウサギのぴょんちゃんの絵本のシリーズの一冊です。 ぶうちゃんは木登りができるかな? ぴょんちゃんはサッカーができるかな? わあ、上手にできる…と思ってページを…

たのしいアイスクリーム屋さん

たのしいアイスクリーム屋さん 番外編の、100円グッズの紹介です。 画像はセリアで購入した、アイスクリーム屋さんごっこができるおもちゃです。 右上の青い器具はディッシャーです。アイスクリームを掴んで、カップやコーンに載せることができます。メニュ…

いっしょにごはん

『いっしょにごはん』 スギヤマカナヨ (くもん出版)2010 表紙にも「向かい合って読む絵本」と書いている通り、子供一人と大人一人が向かい合って、本を間に置いて読むスタイルの絵本です。 本を開くと、二人分の食事が描かれており、一緒に食卓を共にする…

いいもの みーつけた

『いいもの みーつけた』 レオニード・ゴア 文・絵/藤原宏之 訳 (新日本出版社) 2012 リンク 森に落ちている本を動物たちが次々に見付け、これはなんだろう?と頭をひねり、頓珍漢な使い方をするお話です。おうちにしたり、帽子にしたり…。 「えー」 「ち…

モーっていったの だあれ?

『モーっていったの だあれ?』 ハリエット・ツィーフェルト 文/シムズ・ターバック 絵/はるみこうへい 訳 (童話館出版) 1998 以前、『うしはどこでも「モ~!」』という本を紹介しましたが、こちらも動物の鳴き声が題材なので、ちょっと似ているかもし…

エスカレーターとエレベーター

『エスカレーターとエレベーター』 小輪瀬護安 さく (福音館書店) 2016 さんたろうくんとお母さんが、デパートに来て、お買い物をするお話です。 エスカレーターとエレベーターの乗り方や、その仕組みを分かりやすく教えてくれます。 初中級レベルでは、未…

メリーさんのひつじ

『メリーさんのひつじ』 ウィル・モーゼス 作/こうのすゆきこ 訳 (福音館書店) 2014 童謡「メリーさんの羊」は、日本でも有名ですよね。ただ、この歌が実話であることは日本ではあまり知られていないかもしれません。 この絵本は、アメリカの片田舎で育っ…

チューリップ

『チューリップ』 荒井真紀 作 (小学館) 2017 リンク チューリップの球根が、地上に芽を出し、美しい花を咲かせ、やがて枯れ、新しい球根ができるまでが優しいタッチで描かれています。 球根の中身がどんなふうに変化していくのか、断面図でよく分かり、そ…

あかい ふうせん

『あかい ふうせん』 山田和明 作・絵 (出版ワークス) 2017 リンク 赤い風船を持った女の子がバス停に立っています。やがてバスが来て、女の子は乗り込みますが、風船を手から放してしまいます。風船を追いかけるバス。いろんな動物が登場して、バスに乗っ…

ぞうさん

『ぞうさん』 まど・みちお 詩/にしまきかやこ 絵 (こぐま社) 2016 ほっこり温かい絵柄のゾウさんに、童謡「ぞうさん」の歌詞が添えてある絵本です。 読み聞かせの際は、「ぞうさん」の歌を歌いながら、ページをめくってあげるのが一番でしょう。簡単な歌…

ともだちが きました

『ともだちが きました』 五味太郎 作 (文化出版局) 1984 一本の木があります。 そこへ、小鳥や蝶や風船がやって来ます。何しに来たのかな? 「〇〇が△△にきました」という表現が繰り返されるので、「見に行きます」「食べに来ます」など、「(目的)にい…

えを かく かく かく

『えを かく かく かく』 エリック・カール 作/アーサー・ビナード 訳 (偕成社) 2014 『はらぺこあおむし』で有名なエリック・カールさんの絵本です。『はらぺこあおむし』は初級の子に良い本ですが、こちらもお勧めです。 青い馬や、赤いワニ、緑のライ…

あっ、ひっかかった

『あっ、ひっかかった』 オリヴァー・ジェファーズ 作・絵/青山南 訳(徳間書店) 2014 木の枝に、凧が引っ掛かった男の子のお話です。さて、男の子はどうするでしょう……? 「ひっかかる」という動詞は、日本語学習を始めて4か月ほどの初級レベルではちょっ…

ぶた いろいろなきもち

『ぶた いろいろなきもち』 ユリア・ヴォリ 作・絵/迫村裕子 訳 (文溪堂) 2006 リンク 『絵本で教えるにほんご』の中で、同シリーズの別の本も紹介されていますが、こちらもお勧めです。 「たのしい」「かなしい」「こわい」などの感情にまつわる語彙や、…

わたしの て

『わたしの て』 ジーン・ホルゼンターラー 文/ナンシー・タフリ 絵/はるみこうへい 訳 (児童館出版)2002 私達の手は、普段いろんなことに使われます。ボタンを留めたり、ファスナーをしめたり、靴の紐を結んだり……。 日常のいろんな手の動作を絵で分か…

ともだちはマーメイド

『ともだちはマーメイド』 ブライオニー・メイ・スミス 作・絵/ひびのさほ 訳 (岩崎書店) 2023 人間のモリーと、人魚のメルリンのお話です。 表紙でお分かりのように、ファンタジーです。人魚がでてきますし、起こる事柄も現実にはありえないのですが、非…

ぼく・わたし

『ぼく・わたし』 高畠那生 (絵本館) 2003 ある男の子と、ある女の子の苦手なものと得意なものが交互に出てきます。 「苦手」「得意」などの語句を知らなくても、絵や文脈や、読み聞かせする際の読み手の表情などで、多くの子が推測可能です。 また、まだ…

とじてひらいて

『とじてひらいて』 長田真作 著(高陵社書店)2019 出てくる動詞は「とじて」と「ひらいて」だけ。いろんな物を閉じたり開いたり。 読んでやると、子供達が目や口や手を開けたり閉じたりして真似します。て形を教えた後などにも良いかと思います。 語彙学習…

みち

『みち』 五味太郎 作 (福音館書店) 1973 以前、三浦太郎さんの『みち』(あすなろ書房)を紹介しましたが、こちらも、狭い道や広い道、一本道や分かれ道など、いろんな道が出てきてちょっと似ています。初級の子に分かりやすく、お勧めです。 五味太郎さ…