子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

よく見て! 目のトリック 錯視・錯覚

『よく見て! 目のトリック 錯視・錯覚』 曽木誠 監修/市村均 文/伊東浩司 絵 (岩崎書店) 2016

 

よく見て! 目のトリック

 

『ウソ? ホント? トリックを見やぶれ』というシリーズの第一巻です。

 

同じ大きさのクッキーが二つあります。一方のクッキーは大きいお皿に入れてあります。もう一つのクッキーは小さいお皿に入れてあります。すると、前者のクッキーは実際より小さく見え、後者のクッキーは大きく見えます。

こういった、錯視が起こる事例がたくさん紹介されており、楽しみながら「長い」「短い」「大きい」「小さい」など、学んだ語句を使って教師や学習仲間とコミュニケーションがとれます。また、「同じ」「違う」という単語も覚えられます。

本書では、どうして錯視が起こるのか理由も分かりやすく解説してくれているので、ある程度日本語が話せる子に「どうして?」と尋ねられた場合に、簡単に説明してやることもできます。

日本語がごく初級の子と中級の子が、一緒に楽しめる本です。

ただ、幼稚園を上がったばかりの初級の子の場合は、錯視図を使っての日本語学習は混乱するだけかもしれません。子供の発達段階を見極めて使った方が良さそうです。