子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

光の旅 かげの旅

『光の旅 かげの旅』 アン・ジョナリス 作・絵/内海まお 訳 (評論社) 1984

 

光の旅 かげの旅

 

ご覧のように、表紙をそのまま見ると明るい空をバックに並ぶ家々。ひっくり返してみると、夜空の下に同じく並ぶ家々です。

明け方の我が家を出発するところから、物語は始まります。家を出て、街へと向かいます。畑を過ぎ、山の中や海辺を通り、街へ着いて、駐車場に車を停め、映画を見て、ビルを上から見下ろし、夜を迎えたところで、本は最終ページです。

あれ、これで終わり?

と思いきや、本をひっくり返して、まだ物語は続きます。街に明かりが灯ります。地上に降りてビルを下から見上げ、レストランで食事して、駐車場から車を出して、高速道路の下や工場街を通り過ぎ、それから……。

 

本をひっくり返すことで、往路で最初に見たページが、復路ではすべて違う光景となって見えてくるので、子供が目を丸くします。

けれども、モノトーンで渋い作風なので、低学年は反応が薄いですね。中学年、高学年向けかもしれません。