子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

まだまだ まだまだ

『まだまだ まだまだ』 五味太郎 作・絵 (偕成社) 2021

 

まだまだまだまだ

 

男の子が、学校の徒競走でゴールするだけでは満足せず、校外までずっと走り続けるお話です。タイトルは、「まだまだ、終わりません。走ります」という意味の「まだ」です。

「まだ」という表現は、子供も日本語のテキストで覚えるより先に、日本で小学校生活を送るうちに自然に聞き覚えてしまうことが多い単語です。「予期したより遅い」「途中である」という意味であることを子供なりに理解し、

T「(プリント)終わりました?」

S「まだ!」

などと、早い時期から使ってくれますが、「さらに」「なお」という意味寄りの「まだ」の使い方を、本書では覚えることができます。

男の子が学校を飛び出して、ずっと走り続ける様がユーモラスです。

「まだまだ走ります」「まだまだ、まだまだ走ります」とページを繰ると、子供達が「ええ~」と声を上げてくれます。

運動会の時期に。