『言葉図鑑 7 たとえのことば』 五味太郎 監修・制作 (偕成社) 1987
『言葉図鑑』は全10巻あるようです。このシリーズは、『絵本でおしえるにほんご』(スリーエーネットワーク刊)でも紹介されているのですが、一冊一冊については記載がないので、このブログでも取り上げたいと思います。
『7巻 たとえのことば』は、「~みたいな・みたいに」「~のような・のように」の文型を教える際にお勧めです。
冒頭には、「にんげんのようなライオン」として、コーヒーを飲みながら新聞を読んでくつろいでいるライオンが描かれています。次のページは、「ねこみたいなライオン」として、ねずみを追うライオンのイラストです。
「~のようなライオン」「~みたいなライオン」の表現はそれぞれこの一度だけで、その後は、「~ににているライオン」「~的なライオン」「~まがいのライオン」など、異なる譬えの表現が続々登場しますが、そこは割愛して、子供達にはイラストだけ見せ、
「これは? どんなライオン?」
と訊くと、「~みたい」の表現を日本の学校生活ですでに聞き覚えている子がまず、
「カエルみたい!」
などと答えてくれます。
「そうだね、カエルみたいなライオンだね」
と応じると、その後の問いかけには、いろんな子が、
「ソファみたいなライオン!」
「木みたいなライオン!」
と先を争って答えてくれます。
子供達の中には、「~みたい」の表現に初めて接する子もいたりしますが、一連のやりとりで、どういう意味かすぐに察してくれます。
この手順で「~みたいな・みたいに」を教えた後は、同じ伝で「~のような・のように」を教えられます。
絵がユニークなので、「ブタっぽいライオン」のイラストなど、けたけた笑ってくれ、授業が楽しくスムーズに進むこと請け合いです。