子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

アンパンマンのわくわくオノマトペ!

アンパンマンのわくわくオノマトペ!』 トマス・エンタテインメント 絵/やなせたかし 原作/藤野良孝 監修 (フレーベル館) 2023

 

 

先日、日本語能力がバラバラの子供達10人弱を、一人で見ないといけなかったので、オノマトペの勉強にしようと思い、この本を使いました。

まず、黒板に、

「どんどん たたきます」「とんとん たたきます」

「のろのろ あるきます」「すたすた あるきます」

と、簡単な例文を書いて、意味を説明しました。

「こういうのをオノマトペって言います」

と言って、『ぽたぽたとぷん』や、『しろくまちゃんのほっとけーき』など、子供にすでに読み聞かせ済みだった本を再度見せて、

「ほら、これ読んだよね。『じゃあじゃあ』とか、水の音だよ。こういうのがオノマトペだよ」

と、思い出してもらってから、本書を読み聞かせました。

読み聞かせと言っても、文章はありません。ストーリーもありません。本書は、アンパンマンドキンちゃんバイキンマンが、様々な動作をする絵にオノマトペが単独で添えてあるだけです。

しかし、子供達は大喜びで、「たったか たったか」とか「すってーん」とか「ぴょーん」とかアンパンマン達がやる様を、教室の後ろの空いているスペースで真似していました。

「はーい、座ります」

と席に座らせても、こちらが次のページをめくって読むと、また立ち上がり、その動作を真似します。

「ぴょーん、ぴょーん」と言いながら跳んだりしているので、まあ体で覚えていると言えないこともないが……「座りなさい!」とちょっと怒るべきかな~……と迷ったりしました。

ぎりぎり収拾がつく範囲だったので、やめておきましたが、子供たちが全く席にじっとしていない、跳んだり跳ねたり滑ったり転がったりの、大騒ぎの読み聞かせとなりました。低学年児童が多くいたせいもあるでしょう。

アンパンマンは、海外でもよく知られているキャラクターなので、その点でも喜ばれました。