子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

やさいさん

『やさいさん』 tupera tupera 著 (学研プラス) 2010

 

 

畑に来ました。土から野菜の葉っぱが勢いよく伸びています。さて、この野菜はなんだろう?

「やさいさん、やさいさん。だあれ?」

と子供に尋ねます。野菜のオレンジ色が土から少し覗いているのを見付けて、

「にんじん!」

と子供が元気に答えてくれるでしょう。

仕掛け絵本です。「すっぽーん」と土から人参が抜け出てくる様が子供の心を捕えます。

ごぼうや里芋など、給食で食べたことはあっても、ちょっと馴染みのない名詞も学習できます。

いろんな野菜が「すっぽーん」と出てくる仕掛けが楽しいのか、一度では飽き足らず、

「先生、見せて」

と休み時間に自分たちで借りに来て、わいわい皆で繰り返し見てくれます。

 

ただ、まだ学習期間が短くて、日本語の「誰」や「何」の疑問詞が曖昧な子には、「だあれ?」ではなく、「何ですか?」と尋ねた方が良いですね。

 

同じシリーズの『くだものさん』も、熟れた果物が木から「ぽろりん」と落ちる様が楽しいです。