子どもの日本語教育におすすめの絵本を紹介するブログ

外国人散在地域で外国人児童に日本語を教えている日本語教師です。私の備忘録も兼ねていますが、プロアマ問わず同じ活動をされている方と情報交換もできたらと思います。

おちたらワニにたべられる!

『おちたらワニにたべられる!』 サイトウアカリ 作 (集文社) 2017

 

 

主人公の女の子が自宅でふと気づくと、床がなぜか水浸しです。大変です。みるみる水かさは増し、女の子はソファに乗って難を逃れようとしますが、なんとワニがすぐ近くに。ソファから落ちたらワニに食べられる! どうしよう!? という、ハラハラドキドキのお話です。

表紙ではちょっと分かりにくいですが、絵柄は優しいタッチで、女の子もとても可愛らしいです。

 

受け身の表現の予習にもなるかと思い、先日、受け身未習の子供達に読み聞かせました。

読み聞かせの前に、リンゴを持っている人の絵を描いて、

T「『わたし』がリンゴを食べます。これは分かるよね」

と確認しました。子供達が頷いたので、今度は恐竜の絵をざっと描いて、

T「これは、恐竜が……」

S「きょうりゅうがリンゴをたべます」

T「違う違う。恐竜が『わたし』を食べます」

S「え~」

T「これを『食べられる』と言います」

S「ええ~」

T「怖いね。怖いよー。『食べられる』だよ。分かった?『食べられる』」

と意味を念押しして、本を読んでやりました。

 

「食べられる」という受け身だけでなく、「落ちたら」という条件表現も未習の子達でしたが、わかりやすい絵も手伝って、ストーリーは難なく理解してくれました。

受け身や条件表現を教えた後に読むのもいいですが、予習としてもお勧めの絵本です。